いいね365 project

 率直に言えば、僕はボランティアや慈善事業というものとは合わない性格の持ち主だと思います。なぜならば、面倒臭がり屋だという自覚もあり、何より本業で精一杯なので。でも、どういうわけか、そのような場に縁が深い。ドッジボール協会を設立し、小学生の全国大会を開催したり、講演や学校へ授業に出かけたりと、気づけば随分と長い間、活動してきました。最近では、被災地の小学校で出張授業を行い、これは他の地域へと広がっています。

 僕はエエカッコしいなので、やるからにはよく思われたいタイプ。そんなこともあり、意外と真面目に手を抜かず、頑張ってきたつもりです。
 ただ、これまでの活動はバラバラに行っていて、相互に接点がなく、効率がよくなかった部分があります。時間も能力も際限なく使うわけにはいきません。
 そこで活動のすべてを『いいね365 project』とし、友人や各団体等とも連携を図りながら、線あるいは面として活動することにしました。
「いいね365」という名前は"いいことだけを書き記すためのダイアリー"を制作するにあたってつけたものです。ダイアリーを制作販売し、利益の一部を社会に還元することも含め、このプロジェクトを再スタートさせることにしました。

 色々な壁やハードルがあることは経験して覚えました。でも、コツコツと続けていくのもいいのではないかと。頑張り過ぎずに頑張ろう。そんな感じです。ユルい感覚の活動ですが、それでも多くの方に、共感していただけたら嬉しいです。

いいね365プロジェクト主宰 森浩美


いいね365 project

ルールはひとつ、いいことを書き記す!

 残念ながら人生は思い通りにならないものです。でも、悪いことばかりでもありません。必ず、よいことはあります。
 しかし、ネガティブなことに心を奪われると、よいことの印象が薄れてしまいがち。また、何かに追われるように慌ただしく生活をしていると、自身や身の周りに起こった些細なよいことを見過ごしてしまうことも……。ならば "気づく" "心に留める" ということを意識してみる、いいことを書き記してみる……そんなアイテムのひとつになればと「いいね365」を考えました。

・きっかけは?

 きっかけは、ある年の年末、一年を振り返ったとき、つい愚痴がこぼれたのです。「この一年ロクなことがなかったあ……」と。しかし、すぐに別の疑問が頭を掠めたのです。「ちょっと待てよ、ホントにいいことはなかったのだろうか?検証もせずに結論を出すなんて軽率ではないか」というものでした。それならば……。

・日常のいい出来事を検証してみよう!

 翌年、ふたつの手帳を用意しました。ひとつは通常のスケジュール帳。もうひとつは、楽しかったこと、嬉しかったこと……など素直にそう感じた事柄、つまり「いいことだけ」を書き記すためのものです。
 記す内容は「仕事で大きな成果を得た」や「誕生日」というような特別なことだけではなく、日常で起こった、あるいは感じた「些細ないいこと」も含めて記すことにしました。また時には「オレ、がんばったな。じゃあ、ご褒美に何か」という自分が自分のためにしてあげたよいことも記しました。

・無理なくゆる〜く!

 書き記す事柄がほしいために、無理にいいことをしようとか、感じようとはしなかったことです。一日一膳の精神とは少しばかり異なります。よって、余白のままの日があってもよし、また、週末に一週間を振り返ってまとめて記すこともよし……そう決めて、あくまで自分のペースで、ゆる〜い感じでスタートしました。

・「短い文」と「アイコン」がポイント

 日記をつけようとして挫折した経験のある方も多いことでしょう。毎日書き綴るというのは、作家の私にとっても意外と面倒なことです。しかし、一年間通して実行しなければ検証にはならない。そこで「文章はなるべく短く簡潔に」と決めたのです。
 例えば「近所温泉に行った」「DVDを見た」「◯◯さんと食事した」「整体に行った」というものから「愛犬が出迎えてくれた」や「風が気持ちよかった」というふうに。それでも面倒になるときは「温泉」「DVD」と単語だけの場合も。更に「♨」や「D」というマークを記すことも。今風にいえば「いいことアイコン」とでも言うのでしょうか。

・「しあわせの貯金」?

 さて、一年が経ってみると、手帳の1/3くらいがいいことで埋まったのです。「まあ、これくらいいいことがあれば満更悪い人生とは言えないか」と。「これはしあわせの貯金のようなものだなあ」と。俗っぽい喩えになりますが、何気なく置いた貯金箱にコインを入れていたら、それなりに溜まった感覚のようなものでしょうか。

・「文霊」ってあるぞ!

 パラパラとページを捲っていると、記された出来事に気分が随分と楽になれたのです。ポジティブに自分を見つめ直すよい機会になりました。
「言霊」というものがあるなら「文霊」だってあるに違いない。そういう楽しいことを書き記した積み重ねが幸福感を与えてくれる。私はそう確信して、2008年以後、ずっと継続しています。

・専用のダイアリーがあったらいいかも!

 ならば、いいことだけを記す専用の手帳、あるいは日記帳のようなものがあってもよいのではないか。勿論、いろんな手帳や日記帳が出回っているので代用は可能です。「でも、専用ならもっといいなあ。じゃあ、作ってみようか」と、思いついたのです。

・なるほど、こんな使い方も!

 デジタル社会は便利な反面、配慮や親密さといったものを失う要素を含んでいます。面倒なことや手間のかかることは避けてしまう……。でも簡単に手に入れたものは簡単に忘れ去るものです。それに慣れてしまうと、知らず知らず、感情や想い出もぞんざいに扱ってしまうようになります。もしかするとそれは、自分自身とのコミュニケーションを希薄にしてしまう結果になるのではないでしょうか。
 「しあわせ」や「いいこと」には、手間をかけるだけの価値があります。「いいね365」は「継続すること、手書きすること」といった、ある意味、手間のかかるものです。しかし、きちんと自分と向き合うきっかけになると思います。

しあわせにひと手間かけてみる大切さ!

 デジタル社会は便利な反面、配慮や親密さといったものを失う要素を含んでいます。面倒なことや手間のかかることは避けてしまう……。でも簡単に手に入れたものは簡単に忘れ去るものです。それに慣れてしまうと、知らず知らず、感情や想い出もぞんざいに扱ってしまうようになります。もしかするとそれは、自分自身とのコミュニケーションを希薄にしてしまう結果になるのではないでしょうか。
 「しあわせ」や「いいこと」には、手間をかけるだけの価値があります。「いいね365」は「継続すること、手書きすること」といった、ある意味、手間のかかるものです。しかし、きちんと自分と向き合うきっかけになると思います。

「いいこと」は「いいこと」に!

 あまり声高に言うべきことではないのですが……。「いいね365」の利益の一部を様々な方法で、世の中に、特に子どもたちへの支援として使えないだろうかと考えています。すでにその支援を少しずつ始めました。
 友人の中には、長年にわたり、国の内外を問わず、様々なボランティア活動を続けている方がたくさんいます。僭越ながら、私も20年以上、ドッジボール協会の役員として、小学生の大会を開催する活動を続けてきました。しかしながら、活動資金集めには、みなさん一様に苦心されています。
 「いいね365」を中心に「人」「気持ち」「モノ」「資金」という善行の循環が形成できたらよいなあ……と思うのです。
 大したことはできないかもしれないけれど、どこまでやれるのか分からないけれど、やらないよりは、とりあえずでもやってみた方がよい。力まず、こちらもゆる〜く、でも、継続すべきだことだと考えています。
 そして、コツコツと積み上げて、気づいたら「いいね365」の輪が、日本国内はもとより、世界へ広がっていた……そうなることが理想です。
 是非、皆様からのご賛同とご理解を賜りたく、 何卒、 よろしくお願い申し上げます。